6秒尺が動画収益の10%を占める、蘭・新聞社テレグラーフ

Our NA VP of Technology and Partnerships contributed to this Digiday Article about IPv6

ニュースパブリッシャーの多くは、野心的な収益成長目標を掲げている。収益目標を達成することと、ユーザー体験を損なわないこと、このふたつのバランスを取ることは難しい。

動画コンテンツに付随するプレロール広告について、昨年10月オランダの新聞であるテレグラーフ(De Telegraaf)は、ユーザー体験の改善を目的にしたガイドラインを導入。それと同時に、6秒の長さの動画広告フォーマットも導入した。この戦略は成果を見せている。CPMが20%増加するケースもあり、動画経由の1日ごとの収益のうち6秒動画広告は10%を占めていると、テレグラーフは述べる。

30秒以下のものから、3分を超えるものまで、テレグラーフはエディトリアル動画をその長さに応じて、5つのカテゴリーに分類した。これは在庫、広告主たちからの需要、そしてユーザー体験といった要素を考慮することを目的としている。それぞれのカテゴリーごとに、広告の規定や広告の個数の上限が決められている。たとえば、60秒以下のエディトリアル動画の場合は、6秒のプレロール広告しか流せない、といった具合だ。

厳しい広告運用ルール

去年までは、60秒のエディトリアル動画であっても、6秒、15秒、20秒の長さのプレロール広告が流されていた。それが、いまでは6秒のものだけに制限された形だ。マーケットの需要に変化があれば、これも変更されるだろう。動画広告は5回のサイト訪問につき1度だけと制限されている。

「収益の損失につながると恐れた人がたくさんいた。私たちのやり方は厳しい。コンテンツを提供する前に、いくつかの広告にはノーをつきつける。しかし、これは需要と供給の問題だ。質の問題であって、量の問題ではない。私たちは、たくさんの在庫を抱えている。在庫の数を減らし、より高い値段で売ることが好ましい」と、テレグラーフ・メディア・グループ(Telegraaf Media Groep)のビデオ部門責任者であるデニー・プラゲンバーグ氏は言う。

プラゲンバーグ氏によると、彼らの在庫のうち約20%は6秒広告とのことだ。サイトでは、プレロールのインプレッション数は月間で3000万回に至る。これらがすべてこのガイドラインに沿って運営されている。またYouTube上でも、3000万回の月間インプレッション数を抱えており、こちらの収益はすべて彼らのものとなる。また、アウトストリームの月間インプレッションも1億回となっている。

質を高めて価値を向上

テレグラーフによると、エディトリアル動画の一部における広告供給を制限したことで、これらの動画におけるプレロール広告のCPMは昨年と比較して、15%から20%増加したとのことだ。現在では6秒広告のCPMは約12ユーロ(約1460円)となっており、これはより長いフォーマットの最低価格である15ユーロ(約1820円)よりも低くなっているが、平均で比べると6秒広告の方が高い、とのことだ。中には30ユーロ(約3650円)のCPMの例もある。動画完全視聴完了数に応じたコスト(CPCV)モデルに基づいたキャンペーンもいくつか行っている。広告のうち約90%はプログラマティックのプライベートマーケットプレイス(PMP)取引で売られている。約10%はダイレクトに販売されており、これは幅広いチャンネルを超えた契約の一部であることが多い。

6秒広告フォーマットは、その価値が広く認識されていないこと、対応クリエイティブが足りていないことによって成長が抑えられている。いくつかの研究結果では、短い広告フォーマットのメリットが賞賛されているものの、人間の行動と短い集中スパンというテーマにフォーカスした研究が主である。フォーマットの効率性にフォーカスしているわけではないと、エージェンシーの情報源は述べた。

テレグラーフによる6秒広告は成長しているが、サイトでもっとも人気があるのは15秒と20秒のフォーマットだ。一方で、30秒のフォーマットは消えつつある。しかしプラゲンバーグ氏は、今後数年間で6秒広告に対する需要は15秒広告に対するものにほぼ追いつくだろうと推測している。

6秒フォーマットの未来

ザクシスXaxis)のプロダクトディレクターであるクリス・ハーディマン氏は、テレグラーフの6秒広告制限に関して「大胆な判断だ」と形容する。「6秒広告が必須になるまでは、動かせない状況になり得る。短いビデオを使って人々にリーチする、6秒のクリエイティブは適切な方法だ」。

ハーディマン氏によると、6秒フォーマットは他のメディアを補完する形でもっとも効果的になるという。単独の広告としてはではなく、何か新しいものを少しだけ披露したり、鍵となるメッセージを送ったり、好奇心を刺激する、といった具合だ。「そうすれば、より長い動画広告を使って、さらにクリエイティブになることができる。ひとつの広告でブランド認知を高め、エンゲージメントを生み、商品購入を検討してもらうと、すべてを起こそうとするのとは対照的だ」。

しかし、業界の流れは良い方向へ向かっている。2カ月前、広告主が6秒広告のクリエイティブを持っていなければ、話し合いはそこで終わってしまっただろうと、ハーディマン氏は言う。今では、グループ・エム(GroupM)のエージェンシーたちの助けによって、ザクシスは6秒広告のコンテンツの制作支援を広告主に提供している。広告主のクリエイティブをフォーマットに合わせる形で編集をするサービスを提供するテレグラーフのようなパブリッシャーも増えてきた。

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